モデラーGP2013
EX Class
Entry No.54

Yoshidaさん
YAMAHA 250 Enduro DT1


YAMAHAが2作続きますがこれはHASEGAWAの昔のキットで1/10、ミニチュアモデルのエブロが採用しているサイズですね。実は13年前に一度苦労しながら作った事が有りますが、スキルの低さから納得のいかない出来でいつか再チャレンジと思っていました。其の時に買ったストックがあと2箱残っているので、どうせ将来もう作らないだろうと思い、今回2台まとめて作ろうと思います。

このキットはデッサンが秀逸ですが残念な部分も結構有って、修正なりスクラッチなりして補う事でそのまま作るのとは格段に良くなる筈です。残念な部分とは真っ先にエンジンのシリンダーとヘッド。フィンも厚く奥行きも無く、ヘッドに至ってはフィンの間が詰まっていたりします。
次にフロントフェンダー。フェンダーステー後部のモールドは型抜きの都合で仕方が無いとしてもこれではいけません。
後はシート、このシートでモデルをオモチャにしてしまいます、それとホイール。まだまだ修正箇所は有りますが、どの程度仕上げられるか・・・。
真っ先に取り掛かったのはシリンダーフィン作りです、2個同時に作って行きます。


スクラッチしているシリンダーには共振止めを付けたりして修正したヘッドを重ねてみました。

2個のエンジンを塗装しました。


次にフェンダーです。キット部品は貼りあわせになっていて、具合は良く無いです。


ステーはアルミパイプで作り、ケーブルクランプも作りました。ステーを一体で作ったので取り付けも楽になります。


当時、このシリーズには3車種有りましたが、ホイールシャフトはこんな風にモールドで再現されていて、フォークを広げてホイールを押し込んでセットするか、フォークの左右どちらかを後で作り挟んでセットする方式、私はこれが大嫌いです。

実際の物と同じ様に組める様にシャフトのモールドを切り落としてボトムエンドの形を修正し、金属で作ったシャフトを通せる様に加工しています。


既に完成しているホイールはシャフトのモールドが入る太い穴がハブとブレーキパネルに開いています。そのままの太さではではボトムエンドに大き過ぎて壊れてしまうのでハブとパネル部分だけの幅にパイプを通し、ボトムエンドにはパイプを通せるギリギリサイズの金属棒をシャフトとして穴を開けています。こうすればこの先の造型がやり易くなります。これでヒケだらけのフォークを修正して塗装に持ち込めます。


フロントフォークは目途が付いたのでリヤショックの加工に入ります。ショックユニットの上下には本来フレームに有る筈の取り付け用ブラケットがモールドされています。このまま色分けだけで取り付けたのでは甚だ見た目が悪い物になってしまいます。また、ダンパーのスピンドルが有りませんが、このバイクはスピンドルカバーをショックスプリングの内側に取り付けているので形としては正しい形をしています。


ブラケットをフレームとスイングアームの本来の場所に作り、楕円筒気味のショックユニットを真円に修正して仮組みをしています。


リヤサスにも目途が付いたのでエンジンをフレームに搭載するために必要な部品を加工します。チェーンはキットの部品に換えて、いつも使うコスモズ・ファクトリーのエッチングチェーンを使おうとしましたが大きすぎて却下、ならば1/12用のエッチングチェーンをと思いましたが、縮尺が大きいので長さが足らないのではないかと考え、今回は自作のカッター刃で彫り込みによるディティールアップをしています。昔の製品なので凄くアバウトなモールドで、チェーンの途中に何箇所も押し出しピンの凹みが有るので神経を使いました。


彫刻が終わり色付けをして感じを見ています。


リヤショックの塗装を終わらせ、ホイール関連の部品を組み込みました。


フロント周りの部品を作ります。ハンドルはキット部品を使いますが、モールドが非常に酷い状態でバーの真円が出ていません。太い部分や平らな部分、ヒケも有って・・・、パーティングラインを削って済ませる物では有りません。一番細い部分が直径2ミリ程でしたので、その径に合わせて全体を2ミリに削りながら真円を出しています。上がそのまま、下が処理後です。


塗装してアクセルワイヤーの巻き取り部分を造ってハンドルの工作は終了。


フェンダーも塗装が終わり取り付けが出来る様になりました。フェンダーの色はシルバーに塗られている固体も有りますが、少し光物が欲しいので前後共メッキ塗装を施して有ります。


スクラッチした部品を取り付ける上で一番気を配らなければいけないのは正確に取り付けられるか否かで、タイヤとフェンダーが同心円上になる様に、ここでも若干フェンダーブラケットを修正して取り付けています。


フロントサスをフレームにつける前にもう少し小部品を作り取り付けを済ませようと思います。プラグとオイルポンプコントロールケーブルの取り付き部分の金具です。プラグは双方に足を付け、金具はプラ部品のモールドは頂けないのでサイズの違う金属パイプを重ねて作っています。


マフラーですが、エキパイ部分とマフラー部分の繋がる部分の合いは全く駄目で、搭載されているエンジンとフレームを冶具にして仮付け、固まったら隙間を埋めるように瞬間接着剤で埋めてから均して形を作っています。その後省略されている溶接脈を伸ばしランナーで再現しました。


塗装したプロテクターを付け、自作のスプリングをエキパイに取り付けてマフラー工作は終了です。


キャブのモールドは少し甘いですが、そんなに目立たない部品なのでそこそこのディティールアップにしています。ただチョークレバーが無いので作り付けました。


メータシールはアルミホイルに印刷された様な物を貼るだけでメータガラスなどと言う物は有りません。文字盤の保護のためにメーターガラスの代わりにエナメルクリアーを被せています。メーターには積算距離計とオドメーターが備わりゼロに戻すノブが付いています。プラモールドが太いので金属に置き換えています。


キットでは省略されている小さな部品が多いので、目立つ部品は作っていきます。ブレーキスイッチも其の一つでプラ棒と巻いたスプリングで作りました。


真鍮棒とプラ板のキャッスルナットで構成したフロントのホイールシャフトです。極細の針金で割りピンを作って通しています。


フェールタンクは単体で完成してからフレームに取り付けられる様に改造しています(組説では塗装後にフレームを挟む様に接着)。また、タンクのリップぶには溶接部分が省略されているのでプラ板を貼って再現しています。


フェールタンク、サイドカバー、ヘッドライトケースの塗装に入ります。2台は色違いで、1台はライトケースとフェールタンクをパールホワイト、サイドカバーはブラック。もう1台はキャンディーオレンジ、サイドカバーとライトケース、ライトステーまで同色にします。


タンクの塗装とエンブレムの貼り付けが終わりました。タンクに有るラインはデカールが無いので極細筆で書き込みました。


パイピングの用意をしています。キット付属のチューブを使わず、幾分細めのチューブを使っています。


メーターとブレーキケーブルのクランプは2箇所、フェンダー左側と三つ又部分です。此処はアルミ板を切り出して作りました。


パイピングはいつもの様に私の好みで出来るだけコンパクトに、弛まない様に、ハンドルをどちらに切っても干渉しない様に気を使いました。ヘッドライトケース真上にパイロットランプを追加しています。


各ケーブルはフレーに向かう線、メーターに向かい線、ライトケースに入る線と振り分けていますが、ケーブルに邪魔されてタンクが搭載出来るかどうか仮組みしています・・・問題は無さそうです。


最終的な工作となってしまったシート、何か違和感を感じて遅れ遅れになりました。全体的に見て厚みが有り過ぎの様に感じたので底辺を削って薄くすることにしました。それと、全面に有るシート地のモールドも派手過ぎる感じを受けたので、これも殆んど落とします。同時に全体にわたって輪郭を整え、全体にふっくらとした丸みを付けてキット部品を使いながら全く別物のシートに作り変えていきます。


削りこみが終わりほぼ形が出来ました。キットではシングル仕様で二人乗りのアイテムが有りません、これをタンデム仕様に換えていきます。


アシストベルトのバックル位置を彫り込んでいます。ベルトを取り付けて少しシートが凹んだ感じを出そうと思います。


プラ板とアルミ板で作ったアシストベルトを塗装し、塗装の終わったシートに取り付けて終了。


シートはシートレールに有るヒンジで右側に開きます。左側にはシートロックが有りますが、部品として何だか分からない物なので少し弄ってはっきりさせました。


こんな具合に取り付きました。

タンデムシートが出来たのでステップもプラ板とプラ棒を削って造りました。


スイングアームに取り付けてタンデム仕様の完成です。サイドスタンドはキットでは固定式ですが、付け根がひ弱なため補強の必要が有りました。そこで補強を兼ねてスタンドを可動式に改造、結構丈夫に出来上がりました。これで全ての工作が完了しました。


13年前のリベンジとしては成功したかも?

薄いパール塗装は難しいです。

台お揃いで。

左側も。

最後にもう一枚。