No.14 / うえさん
'81MORIWAKI MONSTER (鈴鹿8耐仕様/モリワキレーシングWガードナー・Jペイス)
バリ伝世代の33歳。出戻りモデラー歴7年、総キャリア20年以上の万年初心者。
http://www.tim.hi-ho.ne.jp/uesan/

モリワキ好き野郎の私にとって「いつか作りたいマシン」のひとつであった「モリワ キモンスター」。Wガードナーが日本で有名になったキッカケのマシンでもあります。'81鈴鹿8耐の予選で2分14秒を叩き出しポールを獲ったというエピソードは今 でも伝説になっています。 カワサキKR1000Fとベースになっているエンジンが同じだったと記憶していたので、このキットを叩き台に切った貼ったで作ってみようと思います。
当然、技量的に完全再現は無理なので「モンスターにみえる…かな?」というな んちゃって仕様になってしまいますが…(^_^;) 。それでも出来るだけのことはやってみようと思いますが、はてさてどうなることやら…。
早速エンジンを組み始めます。
ざっと組んでみたエンジンを資料と見比べて「なにか違う…」と。
で、いろんな雑誌を読みあさった結果、KRと同じベースエンジンを使うようになっ たのは'82年以降だと言うコトでした。
私が製作したい'81モンスターはZ1000MK2系のエンジンがベース。
KRのベースエンジンZ1000Jとは「似て異なるもの」で、特にクランクケース 回りの形状が違いすきます。
'81モンスターはキックスターターで、KRのセルスタータとは違います。 ここはすごくこだわりたい部分だったので('81鈴鹿8耐でポールだったガードナー がスタートに失敗した理由なので…)、他にもっと似たエンジン…と探し た揚げ句にたどり着いたのがアオシマのZ1−Rでした(右がタミヤkR1000F、左がアオシマZ1−Rのエンジン)。
…と言うわけで急遽ベースキットを変更(^_^;) 。 モリワキのスーパーバイクを造ろうとキープしていたアオシマのZ1-R改をたたき 台にします。
いきなりベースキット変更とは…。(^_^;) スタートから読み違いしてて完成まで持っていけるのか不安になってきました (^_^;) 。
とにかくフレームが決まらないと次に進まないので、まずはフレームの加工から。
セミダブルクレードルのZ1のフレームをダブルクレードルにするのは私の技量では 至難の業です。
モデラーズのフレックスロッドを使って、資料を見ながら適当に(笑)切った貼った で製作。
フレームのジオメリティーはスチールフレームのものと一緒だというので、そちらの 資料を参考にフレームを製作。
実車は角アルミ材なので、これをベースにして角パイプフレームに加工していくつも りです。あくまでベースなので、この段階ではかなりいい加減なフレームワークです。(^_^;) フレームの全長は変わらないように気をつけて加工しました。車高を上げるためにヘッドパイプの位 置は若干下がっています。
フレックスロッドで作った骨格(?)にエポパテやポリパテを盛りつけて角パイプに 加工していきます。 まずはメインチューブとアンダーループから…と言うコトで他の部分はまだかなり適当です。本当なら図面 などを引いてから作る方がいいのでしょうが、私の場合、どうせ図面を引いても図面 通り作れないので、資料を見ながら適当に形状を出してます(^_^;)。
最初、左右に分割したまま、片方ずつ作っていたのですが、いざエンジンを載せて左右を合わせてみると見事に傾いてました。 やはり出来るなら図面は引いた方が良さそうです(^_^;)。
フレームの傾きはかなりのモノでした。左右対称に作るのは肉眼だけではアテにならないので、方眼紙にフレームのアウトラ インを写しながら整えていきます。結構アバウトな線図ですが、これでも結構役立つものです。これを見る限り、まだまだ修正は必要ですね。それにしても左右対称って、ホント、難しいですね(^_^;) 。
フレームの修正の合間を縫って、タンクにとりかかります。「形状が似てる」と思ったRS1000のタンクをベースにしたのですが、単なる芯 にしかなりませんでした(^_^;)。
タンク側面はフレームとツライチなので、フレームの形状が出せるまでは仕上げが出来ません。 とりあえず現段階では原石ということで…(^_^;)。
クイックチャージャー用の給油口を作らなくてはいけないのですが、どう加工しよう か悩み中です(^_^;)。
タンク加工はフレームに載せたりしながら形を整えていきます。 フレームとツライチになるように加工していくのですが、これが案外難しい。 フレームと同時進行ですり合わせながら形を整えていきます…が、同時進行のせいなのか、まったくと言っていいほど左右対称になりません(T_T)。
そろそろ他のところの製作もしないと間に合わないので、妥協ポイントをかんがえな くては…(^_^;)。
ちなみにフレームの進行具合は60%と言ったところでしょうか? 予定では10月中にフレーム完成のはずだったんですが…(^_^;)。
カウルの加工です。 RS1000のカウルをベースにポリパテで形状変更。 ここまでたどり着くのに1週間以上かかってます(^_^;) 。 ずいぶんマシになりましたが、まだ何か違うカンジが…。 イメージ通りの形にするのって本当に難しいです。 とりあえずサフ吹いてみて形のイメージを掴んでみる事にします。

タンクとカウルにとりあえずサフを吹いてみて、フレームに載せてみます。 タンクはわりといいカンジに見えるので、この後給油口の加工をしようと思います。 カウルは、やっぱり形がおかしいのでもうちょっと加工することにします。 やはり一度サフを吹いて単色にする方がイメージを掴みやすいですね(^_^) 。
シートカウルはやはりRS1000用をベースにポリパテで加工します。 5ミリ幅を広げ、下側は裏側からプラ板を貼り、そこへポリパテを盛りつけ延長。 この後、ヤスリでガシガシ削る予定。 それにしても、自分で思った以上にカウル類に手間がかかってしまってます。 パテを盛る度に「えらいモンに手を出してしまった…」と半ば後悔にも似た念を 感じたり…(^_^;)。 もしかして私がやってるのは改造じゃなくてスクラッチなのかもしれないと感じ始め た今日この頃…(^_^;)。

削り込んでなんとか形状を出したシートカウル。 ベースのRS1000のパーツが化石のように埋まっています。(^_^;) ここまで削るのに7〜8回はパテを盛り直しました。
タンクとアッパーカウルはパテの盛り方が悪かったのか、削っていると表面 からパテ がポロポロと剥がれてきます。 表面処理を上手く出来ないので、一度レジンに置き換えよう・・・というコトで初め ての複製にチャレンジです。 本やネットで調べまくって、見様見真似でやってみました。 まずは形状が単純なタンクからチャレンジ。
「案ずるより産むが易し」とは良く言ったもので、あれだけハードルが高いと思った 複製もやってみると思ったよりも簡単に出来ました。 まぁ、タンクのような単純な形状だったからだとは思うのですが・・・。(^_^;) 手間はすごくかかりましたけどね。 下が原形で上が複製品。 思った以上に上手く出来て妙な自信がついたので、勢いがあるうちにアッパーカウル の複製もやってしまいましょう。
アッパーカウルの複製。 ウレタン型の分割と湯口の設定に頭を使いましたが、なんとか成功。(^_^) これも思った以上に上手く出来たので浮れまくりでした。(^_^) これで表面処理に悩む必要がなくなる・・・はずなんですが、どうでしょう!?
複製したタンクに給油口を取り付けました。 RS1000の給油口を分割して、タンクに埋め込みます。 複製したタンクはレジンのムクなので削りすぎて穴が開く心配がなかったのでやりや すかったです。 タンク上面の空気抜き口は後で溶接後を追加しようと思ってます。
とりあえず現状でのパーツのバランスを見るために仮組みをしてみます。 フロント・リアともに足回りはRGB500から流用・改造。 まだどちらも作業を開始したばかりですが・・・。(^_^;) ライトはRS1000をベースに単灯化。 こうしてバイクらしい形になってくると自然とヤル気が出てくるから不思議です。 ・・・しかし、今ごろこの程度の進行具合で本当に完走出来るのでしょうか!? (^_^;)
シートスポンジの製作です。 エポキシパテを薄く伸ばし、シートカウルに貼り付けてから硬化を待ち、硬化後に整 形しました。 厚さを均一に出来てないので、フチの部分だけ均一にして整ってるように見せかけて います。 ホントはちゃんと均一に出来ればいいんですけどねぇ。。。(^_^;)
キャブレターはアオシマのキットのものを小改造。 ファンネルは長さが全然違うのでプラ棒から削り出したものをひとつ作り、それを複 製。 キャブ本体はフロート室の形状を変更し、ドレンを真鍮線で追加して、後は適当にC Rキャブっぽく余分なモールドを削りました。 実物とは形状が違うところも多いのですが、「らしく」見えればとりあえずOKと言 うコトで・・・。(^_^;)
マフラーはエキパイ部分をアオシマのキットを使い、集合部から後ろを自作。 モナカサイレンサーは5ミリのプラ棒を芯に、エポパテを巻き付けて整形。 思ったように円筒にならずに苦戦しました。 メインの資料にしていたバイカーズステーションではフォーサイトマフラーに換装さ れていたので、当時の資料を参考に作ったのですが、なぜか右側からの写真が少なかっ たので、詳細が判らず、一般市販のモンスターマフラーの画像を参考にかなり想像で 作っています。 この時代のマシンの製作は資料集めと同時に歴史検証をしてるような気分になるのは 私だけでしょうか!?(^_^;)
オイルキャッチタンクと予備のガソリンタンクの製作です。 カウルを複製した時に余ったレジンをブロックにして取ってあったので、それから削 り出しました。 ガソリンコックはプラ棒と真鍮線で製作。 詳細が判る資料がなかったので結構適当に作ってます。(^_^;)
スイングアームはRGB500用を芯にパテとプラ板で製作。 資料にしていたバイカーズステーションに掲載されていたマシンと実際に8耐で使わ れていたマシンとでは補強の入り方が違っていました。 '81年当時の雑誌などの資料を参考に作りましたが、これも詳細が解る写 真がなかっ たので、これで正解かどうかはアヤシイです。。。(^_^;) 補強の溶接跡は伸ばしランナーを接着後、溶剤系接着剤をランナーに塗って溶けて柔 らかくなったところで調色スティックでビートを刻み再現しました。
フロントフォークはRGB500用を加工。 インナーチューブを延長し、ダストシールらしきもの(?)を追加。 キャリパーは形状が似ていたアオシマのZ1−R用を小加工し、プラ板でキャリパー サポートを自作。 出来ればボトムエンドの形状も変えたかったのですが、時間の都合(・・・と言いつ つ実は技術的? 笑)で断念しました。(^_^;)


デカールの製作です。 今回はショウエイのロゴとカヤバのロゴ、ゼッケンナンバーを製作。 モリワキのロゴは以前作ったNSR用のデータを流用します。 いつもなら元になるステッカーなどをスキャンして輪郭のトレースをするのですが、 ステッカーが古いタイプのためロゴのデザインが違います。 しょうがないので資料を元に1から製作しました。 Illustratorで輪郭を作成し、Photoshopで着色・加工します。 本当は全ての作業をIllustratorで行えればいいのですが、使い方がよく解っていな いので、使い慣れたPhotoshopで仕上げています。 データ作成はMacOS10.2.8で行うのですが、印刷時はケーブルとドライバーの関 係OS10.2.8でプリンターがうまく動かないので、最終的にはOS9.2.2で仕上げると言 う面倒くさいコトをしています。(^_^;) アルプスさん、OSX用のドライバのアップデートして下さいよ〜。(^_^;)
mon25 四苦八苦したカウルもどうにかベース色の塗装が完了。 この後、デカールを貼ってクリア掛けの予定ですが、研ぎ出しをするための乾燥時間 が取れないかなぁ・・・。(^_^;)
各パーツがなんとか仕上がってきている中、実は要になるフレームがまだこんな状態 です。(^_^;) 締切まであと僅かなのに、かなりヤバイです・・・。 どこで妥協するかがポイントですね。 本当に完成出来るのでしょうか?(^_^;)
モンスターを作るにあたり、どうしてもやってみたかったのが、このクランクケース のポイントカバーの「モリワキ」の文字の立体再現でした。 最初はデカールにしてしまおうかとも思ったのですが、それじゃモンスターらしくな い!と0.2ミリのプラ板で文字を切り出して製作。 何度も失敗したので、この文字の切り出しだけで2時間以上かかってしまいました。 (^_^;) 少々いびつになってしまいましたが、立体で再現できたので万事OKです。(^_^)
ベース色の塗装が済んだカウル類にデカールを貼ります。 この後、クリアコートします。 今回は締め切りの都合で研ぎ出しはしませんが、出品後に研ぎ出しをするつもりなの で、いつも通り7〜8回クリアコートする予定です。
成形の終わったパーツを一気に塗装。 ほとんどシルバーとセミグロスブラックだったので塗装作業はかなり早かったです。 フロントのインナーフォークには定番のメタルック。 ブレーキディスクはF/RともにKR1000のものを小改造。 実車とは形状が違いますが、技術的に再現が無理と判断したのでこれで妥協します・・ ・。(^_^;)


ステップ周りの製作です。 ステップ本体はKRのものを改造。 リンク周りを真鍮線や真鍮パイプで製作。 フレームの塗装前に作れば楽だったのですが、実は直前まで忘れていました・・・。 (^_^;) 現物あわせで作ったので塗装が剥がれないように気を使いました。
メーターステーは洋白板で製作。 カウルステーは真鍮パイプだったので、ハンダで溶接しました。 電気パーツなどと勝手が違うのでちょっと苦戦・・・。
一通り組みあがったシャーシに配線などのパイピングを施します。 この作業をしてるときが一番楽しいですね♪(^_^) 最新のマシンとは違ってエレクトロニクスパーツが少ないので、配線そのものも少な いので、ちょっと物足らなかったかも!?(^_^;) あとフレームとタンクの間の緩衝用のゴムなども追加しています。
カウルをシャーシに取り付けます。 ライトはカウルにそのまま接着しました。 こだわりの(?)キックスターターを取り付け、スクリーンを取り付けて、モデリン グワックスをかけて完成です。(^_^)v 製作開始時には軽い改造で作れると思っていたのですが、私的にはスクラッチの感覚 になってしまいました。 このモデルで私的にはスキルは相当上がったと思います。(思うだけでしょうけど・・ ・。苦笑) モデラーGPに参加してなければ、絶対に完成しなかったモデルでしょう。 技量不足で再現度が低いのが悔やまれますが、思い入れのあるマシンを自分の手で作 り上げたという喜びは大きいです。 とにもかくにも完成してよかった♪(^_^)v
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